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想像力と今から未来への戦略

常に進化し続ける世界で未来予測が困難な中、企業はどう戦略を立てるべきなのでしょうか。コンサルティング会社のMcKinsey & Companyが行った経営戦略家のロジャーマーティン氏とのインタビューにヒントがあるかもしれません。​


以下、マーティン氏のコメントをまとめています。​


未来に対する戦略を、過去を分析した上で立てるとするならば、暗黙のうちに未来も過去と同一であることを前提としていることになります。しかし、厳密な分析に基づいている場合、分析上「正しい」ため、自分の戦略を長く続ける可能性が高くなります。そのため未来が過去と異なった場合も準備ができず、期待する結果がでないかもしれません。 

マーティン氏は、もし戦略を未来に対処するための訓練と捉え、不確定な未来に向けた戦略を立てるとするならば、古代ギリシャ哲学者、アリストテレスの助言に従うことになると言います。科学の父でもあるアリストテレスは、過去と同じ未来が予測できる世界では、未来を予測するために科学的方法は使えるが、過去とは違う未来が待っている時、物事が今とは違うものになり得る世界では、科学的な方法は絶対に用いてはいけないというのです。その場合、過去のデータに基づくのではなく、どう想像力を使うのかが鍵になるのだと述べています。


あらゆる未来の可能性を想像し、その中から最も説得力のあるものを選べとアリストテレスは伝えています。つまり、未来を想像し、その中でどの可能性が最も論理的に説得力があるのかを論理的に検証することなのだと理解すれば、未来に対する戦略はより強固なものになると思います。データに基づくのではなく、論理的な説得力を持つことが重要なのです。それは、『自社の顧客について、競合他社について、自社の能力について、それぞれ何が真実でなければならないか』ということです。何が真実でなければならないかを並べ、どの条件が最も説得力があるかを問うのです。そうすれば、アリストテレスが言ったようなことができるようになります。しかし、過去を推定するという信念ではなく、未来を形作ることができるという信念と想像力が必要です。そうすれば、より良い戦略を立てることができるはずです。​​

データよりも想像力を使うことを進めているマーティン氏ですが、どのように実践できるのかについても述べています。​


心を自由にする訓練が主になります。未来の戦略を立てるのにデータに従わなくても良いのです。私達にできることは想像することです。自分達にとって、消費者、そして世界にとってより良いもの・ことは何か?を想像するのです。ビジネスの世界では人々は、厳密なデータ分析に縛られているように思います。人は生まれながらにして想像する力を持っています。絵を描く子供たちは何でも想像できると思うのです。それを人が関わる社会・組織の方針や慣習がどんどん封じ込めてしまう。しかし、そこから解放されればあとは思いのままです。​。

​私どもでは、この想像力を向上させるメカニズムを研究しています。 


マーティン氏のインタビュー記事はこちらからご覧になれます:

Author Talks: Rethinking management models with Roger Martin | McKinsey

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